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なぜ英語論文が書けないか?

医学のどんな領域でもそうですが、研修も数年を過ぎるころには英語論文を
執筆して公表するよう、指導医から勧められます。多くの研修医が、次代の医療や医学の進歩に貢献したい、何か足跡を残したいと考えています。

そうは言っても、英語論文の公表に高い障壁があるのも事実。
実地臨床では毎日新しい体験をして、自ら成長を感じることができるのに、こと英語論文執筆に関しては、はたと足が止まってしまいがちです。意識の高い研修医は、その解決に向け、大きな書店の医学書コーナー、とりわけ統計・医学研究・英語論文の書棚の前に足を運びます。事実、多くの良書が出ています。

ところがそれぞれ名著なのに、数冊を読んでも、なかなか論文執筆は上手くいきません。どうしてでしょう?

英語論文執筆は以下の要素の「総合力」と、筆者は推察しています。
・着想力(日常診療に疑問を感じることを含む)
・言葉で切り取る力(国語力)
・論点を整理する力(文献収集を含む)
・基本的な統計力(研究デザインと表裏一体)
・ある程度の英語力(論文特有の語彙)
・データ集めの継続力(根気と調整力が必要)
・図表化する力(多くの論文の中心は分かりやすい図表)

指導を受けながらも、基本的にはこれらを「一人でやる」のです。
相当に広い範囲の力が求められます。なぜ英語論文か書けないのか。それはきっと「最小律の法則」(リービッヒ)に原因があります。どれか一つ、一番弱いところに全体が規定されてしまうものです(https://ja.wikipedia.org/wiki/リービッヒの最小律)。

ここに集われる方々は医師です。これまでに多くの試験に合格されてきましたので、基礎的な学力に大きな問題はないはずです。上述のうち、欠けているところを補うだけで、殆どの場合事足ります。日々の生活を楽しむなか、幅広い教養を身につけること、実は研修医の仕事の一部です。


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