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家族と患者さんの間で・・・

運動性失語のある脳卒中の患者さん。体の麻痺はほとんどなく、状況理解もよく、病棟内の日常生活は自立しています。

患者さんは「自分は困っていない」と言います。病院では、スタッフがこの患者さんは失語があり、うまく自分の考えを言えないことを理解しているので、患者さんの気持ちを汲んであげることができます。

しかし、病院の外に出たら、見た目には何も不自由がなさそうなこの患者さんを理解してくれる一般の人はほとんどいないでしょう。ご家族は心配されて「きちんと治るまで入院でリハビリをしてほしい」と言います。患者さんは体も元気で「もう家に帰りたい」と言います。入院期間も長くなり、患者さんのストレスは限界にきています。

さて、主治医としてどうしたらいいか・・・。

まず、ご家族に自宅内の生活は問題ないこと、退院後も通院でリハビリを継続できること、ただし、外出は一人では難しいため付き添いが必要なことを説明し、ご家族がどこまで受け入れることができるか・・・でも、本当にもう退院でいいのか?

ナースやセラピストと相談しながら日々やっていますが、患者さんも家族も納得できる着地点を見つけていくのは本当に難しいです。


2110_済

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