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知らぬがホトケ?

今の日本の超高齢社会では、われわれ医師が診療させて頂く、患者さんの多くが高齢者である。しかし、意外と、年老いるとは、、、いわゆるボケるとは、、、がイメージとして自分の中に無かったなぁ~と認識できるきっかけとなった小説にめぐり遭ってしまったので、取り敢えずオススメ致します。

久坂部 羊著の『嗤う名医(集英社文庫)』に収載されている『寝たきりの殺意』という短篇です。ちょうど、当直の夜に読むのには負担にならないくらいのボリュームでした。いわゆるボケた、すなわち見当識に乏しいことを、お話しされる患者さんにお会いすることは病棟では度々あることですが、診療する患者さんとしての客観的理解と当事者としての主観的理解との隔たりはやはり大きく、後味がとっても微妙なところが、あくまでもフィクションなのですが、刺激的で良いと思いました。

ただ、将来的には自分にも起こり得ることなので、《知らぬがホトケ》だったかもしれません、、、

本

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