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人間は何歳を境に子供扱いされるものなのか?

今回、御紹介させて頂くのは、NPO法人リハビリテーション医療推進機構CRASEEDの、今年の摂食嚥下アプローチセミナーでも取り上げられていた、塩田芳享 著『口腔医療革命食べる力(文春新書)』という、医療ジャーナリストによる新書です。

食べる力

特に興味深かったのは、介護の世界で見聞きされる、高齢者を一様に子供扱いするのが大きな問題であるという、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授の指摘です。おそらく不快な思いをしてまで、面白くない、子供扱いされる環境には絶対行きたくないと考える高齢者は少なくないはずです。

しかしそのことが、社会性の衰えであるソーシャルフレイル(究極は閉じこもり)を招き、さらには精神心理の衰えであるメンタルフレイル(究極はうつ病)へと繋がり、そして身体の衰えであるフィジカルフレイルへも関わり、食べる機能が低下することもあるのではないかという分析でした。

いくつになっても、目上の人間は目上だし、親は親であり、子供扱いする理由は見当たらないと思います。医療に携わる者として、十二分に認識しておくべき事柄と考えられました。


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